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ありえる痩身エステ

いや、ありえない事がありえるよ。この猫の場合。

母猫に育てられず、極端な発育傷害だったこの猫。
赤ん坊の頃、雨の日の泥だらけの水たまりの中で
死にかけていたのは以前の日記でも書いたことがある。
その時の劣悪な条件で、臭覚すべてと
7割以上の視覚を失った経緯があり
その他も含め、身体的にはある種の奇形でもある。
それでもこの獣医のおかげでしぶとく生き延び
現在に至っている。
何か身体の構造・組織に違う流れがあるらしいこの猫。
であれば、そんな事があったとしても不思議ではない。

だから症例どうのこうのは、どうでも良かった。
それよりもガンのように転移するわけではない事が
わかったのが嬉しかった。
また、筋肉の内側にできたにもかかわらず
早期に発見できたのも珍しい事だった。
内側にあれば、それだけふくらみも見つけにくいからだ。
これについてはボランティアさんのお手柄である。
いつも猫たちと触れ合っていたからこその幸運といえる。
早期発見・早期治療。
この2つに勝る術式は無いかも知れない。

今日も廊下で痩身エステ、豚のような声が聞こえる。
猫のようにニャーと鳴くには、鼻の機関が必要だからだ。
でもその豚の呟きが聞こえると「良かったな」と。
また生き延びたな、と静かに安心するキタがいた。

・・・・ああそうだ。
今は俺が不摂生で大変なんだっけな。
やべぇ、オレ畜生以下だわ(笑)

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